雨雲、のち晴れ空

創作と日常と

壁だらけ

あっという間に入社して2ヶ月が経った。最初の1ヶ月は研修だったから、実際に配属先で働くようになったのは1ヶ月とちょっと。与えられた仕事は終わらないし、相変わらず電話応対は慣れない。気付いたら定時を過ぎている。全てメモをまとめて見返せるようにし…

過去、憂鬱

高校生の時の夢を見た。クラスという狭い箱に区切られた世界と、部活と容姿で簡単に決まる階級と、思春期独特の複雑な人間関係は、たまらなく息苦しい。夢の中ですら、私の顔は生きていなかったと思う。クラス替えをしたばかりのクラスの雰囲気は、僅かな期…

静から動へ

ひとつ、大きなことを終えた。 大学生になって2年目の秋、私たちが作り上げた数日間は今までにないくらい、あっという間に過ぎていった。朝と夜の静寂と昼間の喧騒。それまで何もなかった場所に何かが作り出されていく感覚。響き渡るステージの音。歩き回る…

おはよう

光を感じて瞼をそっと持ち上げると、窓の外に水色の空が広がっていた。ぼんやりとした頭が次第に覚醒して周りを認識し始める。カーテンはあけっぱなし。布団とクッションはくしゃくしゃになって私の隣に横たわっている。私の頭は、本来あるべき場所と180度回…

ぽとり

蝉が泣いて、夏が落ちる。 電車を降りて改札を出て、いつもの道を歩く。綺麗に敷き詰められた白いタイル。外観のためだけに植えられたであろう人工的な木々の並び。建設中のタワーマンション。数えきれないほどの街灯に照らされたこの街は確かに明るい。明…

劣等感、決別

SNSは他人の私生活を覗くものだと思う。だから時々、覗き見たものと自分との差を比較して劣等感に襲われる。本当は、知る必要も比べる必要もないことなのに。 派手な生き方にあこがれたことがある。 例えば、たくさんの友達と毎日のように遊んだり、サークル…

ふわふわ浮かぶ

たまに現実で起きた出来事をどうしようもなく文字に起こしたくなることがある。 自分の心の中じゃ消化しきれないものが溢れていくような、そんな感覚。 消化されないまま時間がたつと、じわじわと記憶の片隅に沈んでしまうから、少しでも文字が浮かんだらぼ…