雨雲、のち晴れ空

創作と日常と

過去、憂鬱


高校生の時の夢を見た。


クラスという狭い箱に区切られた世界と、部活と容姿で簡単に決まる階級と、思春期独特の複雑な人間関係は、たまらなく息苦しい。

夢の中ですら、私の顔は生きていなかったと思う。クラス替えをしたばかりのクラスの雰囲気は、僅かな期待感とぴりぴりする緊張感と、相手を見定める探り探りの感情で溢れていた。独りぼっちになって群れから弾き出されないように、皆がそれぞれの交友関係の中から最善の友達を選び出して、微妙な距離感のまま行動を共にし始める。1年間という期間に縛られて、群れに馴染めるように自分を押し殺し、そのクラスという箱に合った形に当てはめなければならない。そうしなければあっという間に箱から投げ捨てられて、そして二度と戻ることはできないから。


私の最後に属したクラスは卒業のとき、仲が良いだとか最高のクラスだとか豪語する人がいたけれど、友達を見定め、必要でなくなったらあっさり捨てる人ばかりのこのクラスのどこを見てそう言えるんだろうと、思う。

1年生の頃から仲の良かった友達は、このクラスで過ごすうちに私に見切りを付けたのか一緒にいる友達を乗り換えて、そしてもう二度と関係は元に戻らなかった。自分に合う人、合わない人はそれぞれ皆違っていて、だから日が経つごとに自然にその関係が薄れていくことは仕方がないことだとは思う。けれど、突然拒絶されたあの日、どんな目で私を見ているのかがわかってしまったあの時、自分が必要ないと知った瞬間、今まで過ごしてきた時間全てが嘘だと言われた気がした。どうでもいいと思われてしまったことが何よりも悲しかった。自分がもっと一緒にいて楽しい人間だったらと悔い、友達を恨んでしまう自分を恨んだ。

今更思い出したって何にも変わらないんだけれど、クラス替えの夢なんて見るからつい、文字に起こしたくなってしまった。


高校生の頃の私はいろいろな感情や現実に振り回されて、性格がぐちゃぐちゃのスパゲティーみたいにひねくれていた。卑屈で負の感情に雁字搦めにされていた私がその沼から抜け出せたのは大学生になってからだった。

その話はまたいつか。